内容説明
“縄文都市”三内丸山の発掘から八年、さまざまな発見は、従来の縄文像を覆した。豊かな大地に育まれた森に生き、海を越えて活動する北の採集狩猟民たちは、巨大な集落を営んだ。巨木を用いた大型の建物、層を成す夥しい土器の断片や土偶、動植物の利用を示す種子や骨、整然と並ぶ墓の列と道路、掘り出された遺構や遺物は、人びとが生きた記憶を伝えている。北東アジアを視野にいれ、縄文の人びとの生活に焦点をあてた新たな「縄文学」をめざす、現地発掘責任者が誌す三内丸山遺跡の全貌。
目次
三内丸山遺跡を掘る
巨大な遺構
海と森と縄文人―三内丸山の自然環境
縄文人の姿―骨からの考察
カナダ・狩猟採集民の社会から
道具と衣類―三内丸山の生活
遙かなる交易―海を渡る縄文人
生産地・三内丸山―土器と土偶をつくる
墓とストーン・サークル
新たな縄文学の提唱
三内丸山からの発信