内容説明
幕末日本に西欧諸科学を伝えたオランダ商館付医師シーボルトは、国禁を犯し、追放された。世に謂う“シーボルト事件”である。三十年を経て日本再訪を果たしたシーボルト、そして二人の息子たちは、精力的に日本の産物、工芸品、民族資料を収集している。彼らの“日本”コレクションは、洗練された江戸文化の輝きとともに、活き活きと暮らした人々の表情を鮮やかに捉えていた。十九世紀末の西欧社会を背景に、発信された“日本情報”とは何であったのか。ヨーロッパ社会が日本に求めたものは何であったのか。
目次
第1部 シーボルト その生涯と業績(三人のシーボルト;国際人としてのシーボルト;外交官シーボルト―幕末とシーボルトの役割 ほか)
第2部 シーボルト父子の日本コレクション(ライデンのシーボルト・コレクション;ミュンヘンのシーボルト・コレクション;ヴィーンのシーボルト・コレクション ほか)
第3部 さまざまな“日本”(シーボルト・コレクションの美術史的意義;江戸本郷丸山の本妙寺開山像―ハインリッヒ・コレクション「日蓮宗高僧像」をめぐって;幻の博物学標本作者たち ほか)
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