出版社内容情報
後期ハイデガーは、ヘルダーリンを論じ、サルトルは、マラルメにアンガージュマン(参加)の理想の姿を見た。彼らは、なぜ詩人に深い関心を寄せたのか。詩と哲学の対話から、詩的に生きるためのヒントを探し、提示する。
内容説明
ハイデガーはヘルダーリンを論じ続け、サルトルはマラルメの生き方にアンガージュマン〔参加〕の理想の姿を見た。二十世紀を代表する二人の哲学者は、なぜ詩人に深い関心をもったのか。「詩人であること」が、すなわち「人間であること」だという考え方は、何を意味しているのか。実存の哲学の本質を「無の哲学」ととらえる視点から、ハイデガーとサルトルの詩人論を読み解き、近代知識人の陥った問題点を指摘しつつ、私たちが詩的に生きるためのヒントを提示する。
目次
はじめに なぜ〈詩人〉が問題なのか
1 無の国―ハイデガーとサルトルの哲学
2 サルトルと詩
3 詩の次元
4 ジュネとブルトン
5 時代状況―実存の哲学が生まれた背景
6 アンガージュマン
7 普遍の体現―サルトルの知識人論
8 詩人であること
9 ハイデガーの詩論
10 故国―ハイデガーと詩人の魂
おわりに 詩的に生きるために