内容説明
赤ちゃんを持った喜びと、育児への不安にゆれる親たち。少子化時代といわれ、出産と子育てへの関心が高まっている。新しく親になった人たちは、あふれる育児情報のなかで模索している。母乳がよいのか、人工栄養の利点は何か。離乳食はいつ始めればよいか。添い寝をしたりおんぶすることは、スキンシップの第一歩なのか。子どもを育てる親たちが出会うさまざまな疑問に、育児書はどう答えているのか。育児書が助言する子育ての方法は、何を目的としたものなのか。本書は、日・米・英・仏・中の育児書を比較分析し、子どもと親たちを取りまく“文化”の差異やその背景となる“社会”と“時代”をとらえ、個人的問題としてではなく、社会的行為としての子育てを考える。
目次
はじめに 子どもは「社会への窓」
序章 育児観の国際比較
第1章 人生のはじまり
第2章 子どもを取りまく社会
第3章 アメリカの育児書の社会的背景
第4章 フランスの育児書とその社会
第5章 現代中国の初期人間形成―子育ての実態と育児書の意図
終章 育児書の国際比較から見えるもの