内容説明
ジャック・ドロールが創りあげたEU(欧州連合)は、一九九五年から新規加盟の三か国を加えて、欧州統合という野心的な目標に向けて歩みはじめている。ヨーロッパの通貨統合、政治連合に道を開く交渉は、決して平坦なものではなかった。ミッテラン、コール、サッチャーら十二か国の首脳とドロールの間には、一国の主権と共同体の理念をかけた葛藤が続いた。交渉を合意に導くための妥協や駆け引きを克明に追究した本書は、ヨーロッパ現代史の理解に欠かせない貴重な外交秘録である。
目次
序章 連邦は主権国家を超えられるか
第1章 ヨーロッパは再び燃える
第2章 ヨーロッパ連邦をめざせ
第3章 マーストリヒトへの道
第4章 小さなデンマークの大きな一撃
第5章 ドロール時代の終焉
むすび 連邦ヨーロッパの行方
ジャック・ドロールの人物像