内容説明
ペレストロイカは、ソ連を民族の戦場に変えた。バルト三国をはじめウクライナ、カフカース、中央アジアにおける民族反乱の歴史的背景や文化的、経済的要因と、ロシア・ナショナリズム台頭の背景を、現地体験豊かな第一級の専門家が、深く掘りさげる。さらに今後のソ連の行方を、大ヨーロッパ圏への参入、ムスリム系民族・ユダヤ人問題を視野に入れながら、主権国家連合構想や帝国崩壊の可能性に探る。
目次
序 ソビエトの民族問題とは何か
1 バルト三国・奪われた国家再興の悲願
2 ウクライナ―静かな弟?
3 ザカフカース・200年の民族間抗争
4 中央アジア・差別された民族
5 ロシア民族主義の台頭
終 ソ連はどこへ行くのか―民族問題と主権国家連合