感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オカピー
10
50年以上前の本です。原始仏教がその成り立ちから、インドのカースト制度の中でどの様に広がっていったかが述べられています。言葉や漢字の表記も古く、読みにくかった。日本の仏教との比較で、原始仏教の時代には、葬儀や年忌は行わなかったそうである。それは、全く世俗的な事と思われていたようです。仏教が、様々に伝播していく中で変遷して生き、その地域の特性に合わせて変わっていったものと思われます。2024/08/25
舟江
9
また、仏教の素晴らしい本に出合えた。仏教発生の頃のインドの様子も丁寧に書かれており、参考になった。当時は呪術的なものが支配していたという。また「真理は一つであって、第二の物は存在しない。だから仏教の真理を知った人は争うことがない」という、形を変えた一神教のような面も持っていた。2017/02/15
roughfractus02
8
この世は苦しみに満ちている(一切皆苦)という認識に始まる仏教は、その初期から階級間移動の困難なカースト社会を移動し、不可触民同然の身で語り、下層の手工業者らの支持を得たという。紀元前の原始仏教は、ガンジス河畔開拓で産業が盛んになり、非生産的な人々に施しの余裕がある階級社会に誕生した。当時の道徳否定派、七要素説、宿命論、唯物論、懐疑論、初期ジャイナ教らが自らを真とし、他を偽とする喧々諤々の議論の中、王族から不可触民になった釈迦は彼らの議論の真偽に答えず、苦は我執から起こるとして、彼らの態度の根本を揺るがす。2021/03/27
マウンテンゴリラ
5
原始仏教が、戒律・儀式などの秩序をほとんど重視することなく、個人の自由に基づいて、実践的に人としての生き方を追求した、宗教というよりも哲学的なものであったということを強く感じた。それは、仏教だけではなく古代インドの伝統とも言えるのだろう。しかし、原始仏教において他の哲学、特に西洋哲学と異なり特徴的な点は、人間の知性では判断し難い、いわゆる形而上学的問題を敢えて回避し、より生活に即した実践哲学に徹したことにあると言えるのではないだろうか。→(2)2017/06/30
しょ~や
3
原始仏教から大乗仏教へは大きく変わってしまっているものと思ってたけど、ある程度は始めの思想に種子があることが分かったのが、良かった2013/03/06