出版社内容情報
日本統治下の台湾。芸術家たちは、みずからの故郷をどのようなものとして捉え、描き出したのか。本書は、近代化の中で郷土芸術=「台湾美術」の創造を求められた彼らが、苦闘の中でアイデンティティと向き合い、独自の故郷イメージをつくりあげていった過程をたどる。台湾美術研究に一石を投じる意欲作。
目次
序章 台湾美術史と台湾人アイデンティティ
第1章 台湾における「美術」概念と制度の成立
第2章 近代台湾美術における「地方色(ローカル・カラー)」と郷土芸術
第3章 官展の出品作品に見る「台湾的」主題―黄土水、郭雪湖、陳植棋の作品を例として
第4章 ポスト印象派と近代台湾における芸術家意識の形成―陳澄波と陳植棋を例として
第5章 陳澄波の「故郷」意識とアイデンティティ―嘉義の町はずれ(一九二六年)、街頭の夏気分(一九二七年)、嘉義公園(一九三七年)を中心として
終章 故郷と近代の往還
著者等紹介
邱函〓[キュウハンニ]
1973年 台湾・台中市生まれ。現在 国立台湾大學芸術史研究所助理教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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