出版社内容情報
複数の言語が国民国家という枠を越えて交錯するいま,クレオール,越境する文学,多言語・多文化性などに象徴される「言葉」のダイナミックな生存様態がいかに創動されるかを分析する.異文化どうしが衝突する間(はざま)に,多言語が共存するための可能性をさぐる.
内容説明
人間の言語活動が相互の翻訳、干渉、衝突によって変容し、複合や世界化をとおして、文化と文化のはざまで、どのように新しい実践の様態を組み立てていくのか、言語実践の間文化的な力動を問う。
目次
1 間文化の言語態(異文化発見の船出―ヘルダーの出発;帝国ロシアにおける間文化と民族―「ロシア文化」のアイデンティティ;プリミティヴィズム―アート―性―ゴットフリート・ベンとラスカー=シューラーをめぐって;「国性爺合戦」と伝説の記憶)
2 文化接触の言語態(多言語状況におけるテクスチュアリティの政治学―南チロル‐生きられた「間文化性」;多民族の共存から世界平和へ―ザッハー=マゾッホの多文化的世界;パール・バック『母の肖像』をポピュラーにした読み―1930・40年代における日米読者の対比;谷崎潤一郎と異国の言語―「独探」論;「日本語教育」の執拗低音)
3 世界化と間文化(英語文化の力学―帝国主義と多元主義;塹壕と寝室―第一次世界大戦とイギリスのモダニズム文学;ユダヤ文学の語りの戦略―方法としてのイディッシュ;脱・植民地化への苦悩―ポスト・コロニアリズムへの道;メディアと世界同時性―衛生的暴力の彼方へ)
著者等紹介
池田信雄[イケダノブオ]
1947年生れ。東京大学大学院総合文化研究科教授。ドイツ文学、対照言語文化分析
西中村浩[ニシナカムラヒロシ]
1953年生れ。東京大学大学院総合文化研究科教授。ロシア文学・思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 和書
- 萬葉集全注 〈巻第十四〉