出版社内容情報
『源氏物語』本文の厳密な解釈を前提に,物語としての虚構の機構にわけ入り,その作品の本質に迫る.とりわけ,〈いろごのみ〉などの古代の習俗をも本文から帰納しつつ,光源氏の特殊性に注目しながら,逆に物語としての普遍性をとらえる.全七篇五十四章から成る大著.
内容説明
『源氏物語』では、光源氏という特殊で非現実的な人物を創造することが虚構の要となり、そのことによって物語の世界がかえって、人間や人間世界の真相を鮮やかに浮かびあがらせることになる。光源氏という人物の光明と暗翳を通して、物語は人間の心の普遍の心の形姿をつくり出している。したがって、光源氏を主軸とする虚構のしくみを分析することが、この作品の解釈の要となるとみられるのである。
目次
第1篇 物語虚構論
第2篇 物語の初期
第3篇 物語の長編化
第4篇 六条院物語の形成
第5篇 『源氏物語』の内と外
第6篇 光源氏晩年の物語
第7篇 宇治十帖展望
著者等紹介
鈴木日出男[スズキヒデオ]
1938年青森市に生れる。東京大学大学院博士課程中退。博士(文学)。東京学芸大学、成城大学、東京大学教授を経て、現在、成蹊大学文学部教授、東京大学名誉教授
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