出版社内容情報
「水源林」とは生活用水保護のため都市水道局によって所有・経営されている森林であり,水資源問題からいってもきわめて高い今日的な意義を持っている.森林がどのように生まれ,今日までを歩んできたかを,東京都・横浜市・甲府市という複数の水源林の形成過程を歴史的な視点から実証的に分析する.
内容説明
本書は水源林という一見特殊でまた全国的にほんの一握りにしかすぎない森林がどのように生まれ、今日まで歩んできたかを実証的に描き出すものである。
目次
第1章 水源林の現代的意義とその課題
第2章 山梨県における明治期の森林荒廃―林政への抵抗と山村の経済活動
第3章 東京市水道水源林の形成過程―明治期に現れたいくつかの経営計画を中心として
第4章 横浜市道志水源涵養林の形成過程―源流域に展開する下流の水源保護活動
第5章 甲府市水源林の形成過程―私企業と水利用者との森林をめぐる相克
第6章 東京市水源林における戦前・戦中期の経営展開
第7章 東京都水道水源林における戦後期の経営展開―水源涵養機能高度発揮型計画への道程
第8章 水源林からの教訓
著者等紹介
泉桂子[イズミケイコ]
1973年山梨県勝沼町に生まれる。1996年東京大学農学部卒業。1999‐2001年日本学術振興会特別研究員。2001年東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。博士(農学)。現在、日本獣医畜産大学非常勤講師
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