ハヤカワ文庫<br> エデンの東〈3〉

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ハヤカワ文庫
エデンの東〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150400033
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

自暴自棄になっていたアダムは、リーとサミュエルの真摯な心に触れ、再び自己を取り戻した。双子にアロンとカレブ(キャル)と名をつけ、立派に育て上げると誓ったのだ。その間にも時はたゆみなく流れ、いつしかサミュエルも不帰の客となっていく。唯一変わらぬものは、アダムの胸中に宿るキャシーの美しい幻影だった…。やがて多感な思春期を迎えたアロンは、愛らしい少女アブラと出会い、ほのかな慕情を抱いてゆく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

112
サミュエルが老いを認めて農場を去るときのトムとのやりとり。彼は理解したのだが、それには失意と憤慨が伴っていたのだろうか。そして、デシー。彼女の苦しい最期や、サミュエルの真の心の奥底を、トムだけに背負わせないで欲しいと思う。どちらにしろ、ハミルトン家の話は安心して読んでいられる。トラスク家には、今はリーがいるが、彼がいなくなればどうなってしまうのだろうか、心配でならない。邪悪なキャシーに若い二人が巻き込まれることがありませんようにと祈るばかり。2016/08/24

ペグ

85
印象的な場面。リーとアダムがサミュエルを送るために小屋まで歩く。「動物は一匹もおらず夜空にまたたく星々。空気は極めて静かだ」この場面の描写がとても美しい。アダムの二人の息子アロンとキャルの相違。アロンに対するキャルの揺れる心。サミュエルの妻が飼っているオオムのポリー!この小説には深淵な言葉の数々の中に含み笑いのユーモアも散りばめられて流石のスタインベック。2021/07/23

扉のこちら側

81
2016年1043冊め。【238-3/G1000】語り手である「私」の正体は先に知ってしまっていたので驚きはない。一方で物語が進むほどリーのことが好きになる。彼の存在は映画ではカットされているらしいが、なるほど、これだけの名作を支える賢人役が中国人という設定では時代的に映画では無理だったのだろうな。そして悪の象徴として未だ君臨するキャシーと双子たちはどうなる。いよいよ最終巻へ。2016/12/08

キムチ

52
この巻ではサミュエルの、リーの語り、アダムの受け答えが重く気持ちに沈殿、なかなか読み進めなかった。糸杉、白すみれ、アザミが咲くファーム、そこで息づくそれぞれの思いが交差する情景がいい。映画では敢えて除いたリーの重みー夢のため、暇をとり、又戻ってくる人間味。ケイトとの再会~その掌からスルリと抜けられたアダム~自由になった!との魂の叫び。して 背後の寒々としたケイトの眼は視覚的。今更ながら 目にしてきたファームが彼には無色→心の虚だったのね。後半 双子の描写が次なる展開を予測させ~同じ血、育て方でも違う現実2020/09/15

NAO

28
『エデンの東』はアダムと双子の息子の話なのにサミュエル・ハミルトン一家のこともかなり詳細に書かれているのが不思議だったのだが、この巻で、語り手であるサミュエルの孫の名がジョン・スタインベックであることが判明する。これはアダム・トラスク一家の話だが、スタインベックの母方の家族史でもあったということか。アダムは、家を出たキャシーに会いに行き、初めてキャシーがどういう人間だったかを正しく理解し、キャシーの呪縛から解放される。トラスク家の従者リーが、なんともいえずいい味を出している。2015/08/11

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