出版社内容情報
農業再生の道を「水田の高度利用」に求め,アジア,ヨーロッパ諸国との対比のうえに,風土に根差したあるべき日本農業の姿を大胆に構想.商品としての「コメ」問題に終始する従来の農政議論のあり方を批判し新たな視座を提示する.
内容説明
コメという商品の背後にひかえる水田という器に注目して、歴史的にも長い間にわたって知恵と財とを集中的に投入し形成してきた日本の水田利用の構想を、将来にむかってはっきりとしめすこと…「水田農業を考える」とはこのことである。
目次
第1章 問題の所在
第2章 需給調整と農業経営とのあいだ
第3章 水田作と畑作―灌漑とアジア
第4章 施肥の論理と機械の論理―日本の稲作展開にアジアをみる
第5章 汎田水田ということ
第6章 農業経営複合化への動きと論調
第7章 日本型水田複合経験を考える
第8章 機械化と集約化・複合化との関係―アジア農業の論点、日本農業の論点
第9章 新しい担い手層の形成―経営階層
第10章 農業の内発的発展と地域・地方