出版社内容情報
最初期の「鉄筋コンクリートの建築家」アナトール・ド・ボドーの創作活動を丹念に追い,鉄筋コンクリート建築の成立の過程を,実証的かつ理論的に解明する.19世紀までの切石組積による西洋建築と,20世紀の鉄とコンクリートによる近代建築に断絶をみる建築史の通説を覆す画期的研究.
目次
記憶の再生―西洋建築史の中の鉄筋コンクリート
1 考古学とモデルニテ―アナトール・ド・ボドーの歴史理論(石から鉄へ―物質間を翻訳するヴィオレ・ル=デュク;変移の歴史理論―歴史を遡行するアナトール・ド・ボドー)
2 ロマノ=ビザンティン建築の系譜―ペンデンティヴと鉄(ロマノ=ビザンティン建築の生成―歴史と現代を接続する建築理論;現代建築としてのロマノ=ビザンティン建築―アナトール・ド・ボドーの切石組積建築)
3 シマン・アルメ建築の生成―古代と近代の邂逅(鉄筋コンクリート建築技術の黎明―ポール・コタンサンのシマン・アルメ構法;ネットワーク・ヴォールトの展開―アナトール・ド・ボドーのシマン・アルメ建築)
シマン・アルメ建築生成の時間構造
附論 用語法と研究史
著者等紹介
後藤武[ゴトウタケシ]
1965年生まれ。東京大学大学院工学系研究科(建築学)博士課程単位取得退学。株式会社隈研吾建築都市設計事務所、慶応義塾大学環境情報学部専任講師、中部大学人文学部助教授を経て、2007年後藤武建築設計事務所設立。現在、株式会社後藤武建築設計事務所代表取締役。博士(工学)、一級建築士。法政大学デザイン工学部、工学院大学建築学部、武蔵野美術大学造形学部、ICSカレッジオブアーツ、桑沢デザイン研究所非常勤講師。神奈川建築コンクール優秀賞ほか受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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