出版社内容情報
その男の名はバッチンデリア.彼の住むワンバ村は,アフリカ・ザイール森林の最奥にある.生い立ち,父母の思い出,狩りや魚とり,さまざまなしきたり,結婚と離婚,そして超自然現象――.森で生れ育ったガンドゥ族の青年が語る「森の生活」.
目次
第1章 幼いころ
第2章 エベア・バンダカの時代
第3章 ヨカンバの学校時代
第4章 モキロとともに
第5章 伯父サラ・ロッケンバの思い出
第6章 母と弟
第7章 狩りと漁
第8章 妻をめとる
第9章 邪術師・呪医・先祖霊たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sibafu
3
「熱帯林の世界」第三巻。アフリカの森の中に住む青年バッチンデリアの幼年期から成人後までの身の上話を収集した一冊。狩り、漁、カバに噛まれて死んだ男、呪術師の話など話題は多岐にわたる。バッチンデリアが語る話には事実もあるだろうけど、意図的ではないにしても誇張や脚色をした伝説のような話も多い。ノンフィクションの中の虚構性がアフリカや森への神秘性を強め、また真実味も増していく。1980年頃を中心とした話だけど、おとぎ話みたいな話もあるので現代のこととは思えない。たまに日本人の研究者たちが話に登場する。面白い。2013/11/14