出版社内容情報
あなたはだれですか？――そんな問いかけから始まる生物学がある。人間と同じようにシカにも1頭1頭に個性がある。その個性に徹底的にこだわって、誕生、成長、そして最期のときまで、その一生を追う。30年以上にわたる行動観察にもとづく貴重なシカの記録。
内容説明
あなたはだーれ？シカにも１頭１頭に個性がある。その個性に徹底的にこだわって、誕生、成長、そして最期のときまで、かれらの一生を追う。３０年以上にわたるフィールドワークにもとづくシカの貴重な記録。
目次
第１章 そんなに違う？シカの顔―個性に迫る
第２章 雌のためならなんでもします？―雄の闘い
第３章 お母さんと一緒がよいけれど―誕生と成長
第４章 婆ちゃん、母ちゃん、姉ちゃん、女系家族のいろいろ―家族関係
第５章 子どもを残すのはたいへん―雌の生涯・雄の生涯
第６章 人との長いおつきあい―シカと人間の関係
第７章 ひとりでは生きられない―個体から個体群、そして環境との関係
第８章 シカに教えてもらったこと―野生動物の研究とはなにか
著者等紹介
南正人［ミナミマサト］
１９５７年京都府に生まれる。１９９０年大阪市立大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。株式会社星野温泉リゾート（現、星野リゾート）、株式会社ピッキオを経て、麻布大学獣医学部動物応用科学科教授、ＮＰＯ法人生物多様性研究所あーすわーむ代表理事、一般財団法人森から海へ理事、博士（理学）。専門は動物社会生態学・動物行動学（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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takao
1
ふむ2022/08/05
スマトラトラ
1
面白かった。先生こんな事考えてたんだ…。 名前ツヨイなのに弱い個体だったりとか面白くて、そして、名前が付くだけで"個"と認識する自分にちと驚いた。 6章の直接観察の際の影響へのジレンマとかは私も経験あるかも。と言っても、私の場合はタヌキでセンサーカメラだったから、直接観察出来ない悔しさが強かったけど。 心に響いたのは8章だなぁ。在来種としてのニホンジカ、害獣としてのシカ。どう位置付けて私達は関わるべきか。そして如何にその命を無駄にしないか。 鬱が寛解したら、猟師の資格取りたいんだ。自分の肉自分で採りたいの2022/04/27
家の中のぱっぽ
0
シカを1個体ずつ、目視でそれらの特徴を捉えながら個体識別するとんでもない手法で研究している著者の送る行動生態学の本。ニホンザルにおいても実績のあるジャパニーズメソッドと言われるこの方法は相当な労力と時間を要するが、成功すれば個体の寿命や行動、家系図までもが明らかになる。本書の2/3超は個体識別からあれやこれやと明らかになるシカの生態について。残りは著者の研究に対する考え方が記述されている。個人的には著者の考え、価値観がすごい伝わった。研究に対する姿勢も共感でき、素晴らしいに尽きる。2024/02/03
