出版社内容情報
現代日本建築の魅力と多様性を、隈研吾、磯崎新、藤森照信ら日本を代表する建築家による作品解説とインタビューをまじえ見直す。
内容説明
1964年と2020年―ふたつのオリンピックのはざまで、現代日本建築の格闘を丹下健三につづく4世代の建築家が語る。
目次
なぜいま丹下健三から考えるのか(隈研吾;小渕祐介)
空間を感知するために(磯崎新)
様式を共有する(香山壽夫)
建築の始原へ(藤森照信)
つなぐ建築(大野秀敏)
建築より大きく、都市より小さく(妹島和世)
日常の建築家(隈研吾)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
14
空間が気になっている。建築家・磯崎新は「空間」について次のように話している。「人間は、基本的に建築の中を動いているわけです。動いているときに感知された空間が、身体的に積み重なり、全体の空間体験として通り過ぎた後に現れる。…建築空間というのは、そういう現象として見えているのではないか。リフレクションも一つの現象ですが、身体が通過していく歩くということをそのものが現象であり、そこで建築がいろんな姿を現す。そういう関係があるのではないか。」2017/09/30
鯨、或は山田
2
「現代日本建築の四相」として「理論」「技術」「都市」「人間」を設定し、講義を進めていくスタイルのうちの第一回。第二回は今年中のはずだが…?特に日本建築における理論というのはやはり丹下が下地を作ったもので、戦中戦後という環境の激変を切り抜けるには政治との結びつきなどより、大きく変わっていく建築への要求に耐えうる理論が必要だったと。そこを超克しようとする世代があり、高度経済成長を経て、隈以降の世代の建築家が新しい理論でやっていく、というまぁわかりやすい世代論。2017/10/09
Chie Okumura
2
1.2時間でサクッと気軽に読める本。 それぞれの建築家の原点を語る部分と丹下をどう超えるか、あるいはどのように上の世代を捉えているか、といった視点が見られたのはよかったと思います 2017/07/15
かぺら
1
丹下健三を起点に建築家たちが建築論を語る対談集。建築に対する知識もないため建築物を感覚的に説明されている部分の理解ができなかったが、建築と環境を分節化してしまうのことへの批判であったり現状への問題意識が建築で表現されていたりすることは自分の中に落とし込まれたのかなと思う。世代論の部分や所々出てくる現代思想などは要検証な気がするが、大野秀敏の章と隈研吾の章の主張は自分の中の感覚とかなり似通っていて読んでいて面白かった。2019/07/16
ことぶき
0
建築家は夢想家。道は通路ではない(大野先生)。