内容説明
育薬とは?―よりよい薬を育てるには、専門家におまかせではダメである。薬育とは?―一般市民ももっと薬を学んで欲しい!薬の専門家が提案する新しい薬との付き合い方。
目次
プロローグ―医療の中で「薬」はどうあるべきか
第1部 薬を育てる―育薬(医薬品の創薬、適正使用と育薬―よい医薬品を創って、正しく使って、上手に育てる;育薬による医薬品の進化;医薬品不適正使用と投薬ミスとその回避;患者と服薬ノンコンプライアンス―育薬で対処できない究極の課題;育薬を達成するための人々の連携)
第2部 薬を学ぶ―薬育(これまでの薬育とこれからの薬育;学校と一般社会での薬育;薬育の実践のための教育コンテンツ)
エピローグ―真の医薬分業と安全のために
著者等紹介
澤田康文[サワダヤスフミ]
薬学者。東京大学薬学部卒業。米国国立衛生研究所研究員、東京大学医学部助教授、九州大学大学院薬学研究院教授を経て、2005年から東京大学大学院情報学環・薬学系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kasa
2
薬の使用に関する一般向けの本。服薬不遵守や現場のヒヤリハットについての事例が豊富で最後まで飽きずに読みやすい。索引や本文中に出てきた医薬品一覧などが巻末に付されているのも非常に丁寧。糖尿病の薬を便秘が解消するといって友人にあげていた女性の事例とか、夜寝付かない飼い犬に人間用の睡眠導入剤をあげていた薬学部学生の事例とか、とにかく常識ではかれない使用法にびっくりする。小中高校生のうちから医薬品に関する授業(脱法ドラッグへの注意喚起だけでなく)を組み入れることを提唱していて、教育関係者も読んでみるといいかも。2010/12/19
Chemie
0
◎「育薬(薬を上市後育てる)」と「薬育(薬を学ぶ)」◎「薬」はモノだけでなく、安全性・副作用情報などの情報も含む。付帯する情報は上市後も集められる(育薬)◎服薬ノンコンプライアンス・投薬ミス→テーラーメイド薬物治療が吹っ飛ぶ ⇒薬育と投薬ミス予測システムの必要性◎薬に関心を持ち、医療従事者への患者側からの情報提供が育薬につながる◎国民、医療現場、製薬現場、行政が互いに情報の受け手、出し手になる◎薬学は、化学・物理・生命科学さらには社会科学を含む総合科学!2012/04/06