出版社内容情報
タヌキってなに? アライグマやアナグマとどこが違うの? どんな暮らしをしてるの? ほんとうに化けたり化かしたりするの? そして、タヌキにとっての幸せってなに? 大いなる「狸想」を掲げ、「狸念」を重んじ、「真狸」の追究を続けるタヌキ学者が描くタヌキワールドへようこそ!
内容説明
タヌキの基本スペックは?タヌキはどう進化してきた?タヌキは本当に人を化かす?タヌキ学の黒帯的研究者が、令和のポンポコ事情を明らかにする。大いなる「狸想」を掲げ、「真狸」を追求せよ!
目次
第1章 タヌキの生き方―タヌキの生物学
第2章 どこから来て、どこへ行く?―タヌキの進化学
第3章 raccoon dog―タヌキの国際学
第4章 タヌキは化かすのか?―タヌキの化学
第5章 タヌキにまつわる諸問題―タヌキの実学
第6章 タヌキの幸せ、ヒトとの共存―タヌキの総合科学
著者等紹介
佐伯緑[サエキミドリ]
1959年大阪に生まれる。現在、農研機構畜産研究部門動物行動管理グループ所属。専門は動物生態学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
羊山羊
20
タヌキとはなんぞやということが、著者本人のフィールドワークとバランス良く散りばめられている。著者の、限りないタヌキ愛が覗く好著。正直、オールラウンドに生活できる能力に特化しているのがタヌキなのに、(本著中ではジェネラリストとか器用貧乏とか書かれる)住んでいる地域が割と限られていて研究も案外進んでいないのが不思議。何気ない里山の自然を見る目が変わる1冊。オススメ。2022/11/05
ようはん
18
仕事に行く際は田畑の広がる場所も通るので路上を横切る狸や轢かれた死体を時折見かけるが実際にロードキルで死亡するタヌキはかなり多いというのに気分が落ち込む。車に轢かれても死なずに治療を受けたり罠に掛かり片足を失ったタヌキのエピソードは痛々しい。2023/02/04
古本虫がさまよう
6
車に刎ねられて大きく傷ついて安楽死させるしかないと思われたタヌキを甲斐甲斐しく治療し、奇跡的に回復し、もう少しで野生に戻すべきか思案しているところ、タヌキのほうがさっさとスティーブ・マックインもびっくりの「大脱走」。治癒していない別に逃げたタヌキに対して、ナチスの追手ではないが、発信機をつけていたので潜んでいる場所がわかり、再捕獲を試みるものの、断念。そういったエッセイ風のものもあるが、出版元が東京大学出版会ということもあって、註釈が多々つくような論文選ではないが、タヌキについてマジメに考察した一冊。 2022/09/07
むさみか
5
最初は 狸に詳しすぎて読めるかな・・・と 心配になってましたが 体験談に入ってくると ぐいぐい引き込まれます つがいになり 夫婦で力を合わせ 子育てをし 餌をとり 妻がロードキルされた後 夫が一人で子供を育て上げ そして子離れをしたあと 別の縄張りに移動していく 参考文献が 巻末に 30ページもあるような本で 泣けるとは思わなかった 2022/12/20
Cana.t.kazu
5
タヌキと何を色々な面から見て,分析して面白かったです。2022/10/30