出版社内容情報
多様体は,現代数学の中心的な概念のひとつである.本書は初めて多様体を学ぶ人のためになるべくわかりやすく記述するという立場を貫き,扱う題材も基礎的なものに絞ってていねいに解説した.応用をめざす人にとってもさらに高度な理論をめざす人にとっても好適.
内容説明
多様体は、現代数学の中心的な概念のひとつである。多様体のなるべくわかり易い教科書を書いてみたいという動機から、著者はこの本を書いた。扱かっている題材はすべて基礎的なことばかりである。読者としては、大学2、3年級の学生を念頭においた。
目次
第1章 準備
第2章 Cr級多様体とCr級写像
第3章 接ベクトル空間
第4章 はめ込みと埋め込み
第5章 ベクトル場
第6章 微分形式
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
21
「数字であそぼ。」の主人公が本書を携えているのを見て、令和に突入した今でも本書がなお現役で「迷える数学科の学生のバイブル」として活躍していることに感動。しばらく実家の段ボール箱で眠っていたのを何年か前に発掘してから手元には置いていたが、今回久々に通読。今でも完全に消化できない箇所は多いけど、当時の悪戦苦闘ぶりを懐かしく思い出す。これを通過すると松島与三先生の「多様体入門」を多少読めるようになるのだけど、それでも「入門ってどういう意味だったっけ〜⁈💦」と叫びたくなるくらい難しくて笑うしかなかったな。2022/02/22
むらさき
8
年内に読み終わりましたー 一部界隈でラノベと言われているが、自分は数学力5のゴミなので時間がかかってしまった。 たくさんの人がいうように、数学書名物の行間のギャップが少なくて、本文も準備の章と位相空間の章から始まる丁寧さ。 多様体にやっと入門できたという感じ。 今の目標はリーマン面の理論や楕円関数論に進んで行きたいのでドンドンやっていくぞー ただ具体例とかをあまり見れていないので、ホイットニーの論文や著者の論文読んだりして寄り道しようかなとも思ってます。2021/12/29
しとらす
4
学生時代から放置していた本をやっと読めました。多様体を勉強するには事前準備がたくさん必要な代わりに、現代的な数学で避けては通れない論点ばかりなので早めに読むことをおすすめします。複素解析をまた見直したいなとも思いますし、発展した話題としてリー群・リー微分もやりたいと思いました。とにかく目標としていた、微分形式での一般ストークスの定理までたどり着けたので満足です。2021/07/31
LUNE MER
3
「数学なしでは生きていけない!」…と意気込んでいた数学少年少女が希望に胸を膨らませて大学に進学して幾何学の授業に出て何が起こっているか分からないままにふと気づくと数学授業に全くついていけてないという自分史上前代未聞のカタストロフィーに陥ったときに駆け込み寺となる最高のテキスト。
みるか
3
少ない予備知識(基本的な線型代数・多変数の微積分・位相空間)を用いて多様体について書かれた本です.とは言え,基本的には数学専攻の学部3年生くらいが想定読者らしいので,私のような数学を専攻していない人にとっては骨の折れる内容かもしれません.2019/01/31