内容説明
馬謖の首が硬くて斬れない孔明のがんばりが並行宇宙論へと飛躍していく表題作のほか、笑えて泣ける新時代のＳＦエンタメ短篇集！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
91
三国志大好き！だけど歴史小説界って戦国７割・幕末２割・その他１割。中国史のパイはその１割の更に端っこで非常に小さい。のでバカＳＦでもこんなタイトル付けられると釣られちゃうわけ。期待の表題作はまぁ、うん？泣いて馬謖を斬るって故事成語があるけど、馬謖の首切れないよね。どうしたって斬れない。斬っても突いても焼いても泣いても。それで最後は宇宙を飲み込む壮大な神話になっちゃうよね。わかるわー…って分かるか！と、表題作はアリよりのナシだったけど、ドラゴンがカーセックス（カーでじゃなくて、カーと）する話が割と良かった。2019/07/22
Shun
30
奇想的な話の展開を楽しむSF短編集です。表題作の帯「泣いたのに、馬謖が切れないー」を店頭で目にした瞬間が個人的にツボに入った作品。読んでみてからは、思っていたほどの驚きはありませんでした。不条理な笑いを誘い、その奇想天外な物語からは先の展開が読めませんでした。どれも読んだことのないような味わいがある作品ばかりで、中でもドラゴンカーセックスとは何ぞやと予想のつかない内容の「竜とダイヤモンド」は意外にも感動系のお話で、なんとか最後まで読んで良かったと思えました。2019/06/13
そふぃあ
25
バカSF短編集。 アルキメデスとかいう王大好きマンすこ。そんで、ドラゴンカーセックスがまさかのめっちゃいい話で大すこ。すココココ。出版してくれてありがとう。最高。 「流れよわが涙、と孔明は言った」 孔明ゎ困った...馬謖の首が切れなぃ… でも……もぅつかれちゃった….. でも…あきらめるのょくなぃって…… 孔明ゎ…ぉもって……がんばった… でも……馬謖…..増えて…..ｺﾜｲょ….. ｺﾞﾒﾝ……硬かった….. でも……孔明と馬謖ゎ…ズッ友だょ……！！2019/06/10
サケ太
25
この作者とんでもねぇぞ。作者初読み。カクヨム、同人誌、書き下ろしをまとめた短編集。表題作『流れよわが涙、と孔明は言った』を始めとして、『折り紙食堂』、『走れメデス』、『闇』で不可思議な世界に落とされ、時に笑い、時にゾッとさせられる。そして何より、『竜とダイヤモンド』。ドラゴンカーセックス！ドラゴンカーセックス！ドラゴンカーセックス！こんな題材で泣かされるってある？とんでもない説得力に納得させられてしまうのは文章力か。2019/04/20
いちろく
22
話のオチのキッカケを全てガンマ線バーストで描いた前作の童話パロディ集も唖然としたけれど、今作の短編も発想の斜め上を行き過ぎて唖然とした。馬謖の首が硬くて切れず色々な事を試す孔明の物語なんて純粋な三国志演義ファンは怒らない？と思いつつ、ブラックユーモアも好きな私はクスクス笑いながら楽しみました。アルキメデス×太宰治の発想は置いてきぼりをくらいましたね。少し前に流行った表現、有りよりの無しや無しよりの有りで言えば、その中間。三方先生のバラエティSFは、ネタをネタとして楽しめる人向けの絶妙なラインですわ。2021/06/19
