内容説明
本書は、アブラムシの全体像について、現在どこまで理解しているかを基礎研究の立場からまとめたものである。
目次
1 形態と系統進化(形態;分類と系統進化)
2 生殖と生理(単為生殖と有性生殖;栄養生理;殺虫剤抵抗性)
3 種間関係(寄主植物に対する適応;アリをめぐる種間作用;天敵 ほか)
4 生活史戦略と社会(性表現;多型性;生活環 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
in medio tutissimus ibis.
3
アブラムシの網羅的な専門書。ある程度の生物学及びアブラムシの生態の知識を前提としているが、わかるところだけ読んでもアブラムシは面白い。胎生(!)単為生殖(!)と共生細菌(成長↑長生↓)のおかげで滅茶苦茶増える。植物の液をすするので過剰な蜜を排泄し、それを求めるアリと共生する……が、増えすぎたりもっとアリ好みの蜜を出す他のアブラムシがいると容赦なく食われる。腹が減ったら共生細菌を食べてしのぐ。共生とは。有性生殖する一次寄生先と二次寄生先を何世代もの形や性別の違うクローンがあたかも一個体であるかのように渡歩く2025/03/11