出版社内容情報
明治以降も中等教育に匹敵する地域の民のニーズを模索し、支え続けた、漢学塾の知られざる歴史を描き出す。
1872年の学制発布後も20世紀のとば口に立つまで,日本全国の漢学塾は,時代にあわせ,その教育内容を進化させ,地域の人的ネットワークを結び,こんにちの中等教育に匹敵する役割を果たしていた.長善館というケーススタディを徹底的に行い,民の教育,地域の教育の原像を具体的に描き出す.
第1部 近代日本における私塾という問題
第1章 近代教育と私塾――問題の所在
第2章 明治期私塾の全国的動向
第2部 漢学塾「長善館」と近代への移行
第3章 新潟県のノンフォーマル教育機関の動向
第4章 長善館を支える地域指導者層
第5章 初代館主・文台のカリキュラムと塾生の学習
第6章 二代目館主・?、軒のカリキュラムと明治初期の教育活動
第7章 「つきあいの文化」育成のカリキュラムと指導
第3部 長善館としての近代教育の模索
第8章 遊学促進のための支援とカリキュラム
第9章 上京遊学者の学習歴とカリキュラム
第10章 独自な中等教育カリキュラムへの模索
第11章 長善館の終焉と地域指導者層育成の継続
終 章
【著者紹介】
池田 雅則
池田雅則:兵庫県立大学看護学部准教授
目次
第1部 近代日本における私塾という問題(問題の所在;明治期私塾の全国的動向―各種学校統計を手がかりに;新潟県におけるノンフォーマルな教育機関の動向―越後平野を中心として)
第2部 漢学塾長善館が迎えた近代移行期(地域指導者層の私塾長善館;初代館主文台のカリキュラムと塾生の学習歴―維新期まで;二代目館主〓(てき)軒のカリキュラムと明治初期の教育活動―一八七〇年代
「つきあいの文化」育成のカリキュラムと指導―一八八〇年代前半)
第3部 長善館としての近代教育の模索(遊学促進のための支援とカリキュラム―一八七〇年代から八〇年代半ばにかけて;上京遊学者の学習歴と経験したカリキュラム―一八七〇年代後半から八〇年代半ばにかけて;独自な中等教育カリキュラムの模索―一八八〇年代半ばから九〇年代半ばにかけて;長善館の終焉と地域指導者育成の継続―一九~二〇世紀転換期;まとめと展望)
著者等紹介
池田雅則[イケダマサノリ]
1980年宇都宮市生まれ。2003年東京大学教育学部卒業。2011年東京大学大学院教育学研究科修了。博士(教育学)。現在、兵庫県立大学看護学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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