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「精神分析的子ども」の誕生―フロイト主義と教育言説

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  • サイズ A5判/ページ数 436,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130562126
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C3037

出版社内容情報

精神分析の父,フロイトは,解釈され批判されることによってこそ,その末裔たる現在の「心理主義化」した世界・教育を作り上げてきた――子どもを心理学的に理解可能な存在へと転換したフロイトとその系譜を思想史的に読み解き,「心の教育」の理論的背景を問う.

内容説明

私たちは一体いつから、“子ども”の「心」を理解することを、教育に不可欠な要件と考えるようになったのだろうか。検討対象となるのは、精神分析の創始者ジクムント・フロイトと、彼の思想・実践を受け継いだフロイト派精神分析諸学派である。

目次

プロローグ “精神分析的子ども”の系譜学のために―課題と方法
第1部 フロイトという「扉」の彼方へ―“メタ心理学的なもの”とその運命(フロイトという「扉」;“現実”から“幻想”へ/精神分析からPTSDへ―起源としての“誘惑理論の放棄”の発見;2 「誘惑理論」は“放棄”されたのか?―外傷原則の彼岸;3 フロイトとユングの分岐における“人類の先史としての子ども”―精神分析と反復説)
第2部 アンナ・フロイト‐クライン論争―エピステーメーの変容(エピステーメーの変容―精神分析の心理学化;初期児童分析論争―自存的言説としての“精神分析的子ども”の起源;閉じた円環―“人類の先史”から眼前の“子ども”へ;アンナ・フロイト‐クライン論争―“精神分析的子ども”の自律化)
第3部 フロイト主義と教育―“精神分析的子ども”の帰結(“精神分析的子ども”の事実化―教育言説のなかのフロイト主義;アイザックス―児童中心主義教育と精神分析;ボウルビィ―“自然状態”としての母子愛着)
エピローグ フロイトから遠く離れて

著者等紹介

下司晶[ゲシアキラ]
1971年生まれ。中央大学文学部教育学科卒業。同大学院文学研究科教育学専攻博士後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員(東京大学大学院教育学研究科)、東京都立大学、中央大学、大妻女子大学の非常勤講師を経て、現在、上越教育大学学校教育学部講師(教育哲学)。博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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フロイトのメタ心理学は反復説や獲得形質の遺伝説を背景に人類史生物史を心の無意識に読みうるものとして立ち上げられたが、フロイトの死後本格化した娘アナとメラニークラインの英国での大論争1941〜には<子ども>の心の解釈が最重大問題となる。大人の心に読めるものは<子ども>に絞られたのだ。しかしこの重点化の中で、大人が分析の中で過去として想起する外傷を負う<子ども>→大人になったとき外傷にならぬよう予防するために向き合うべきこの<子ども>へと逆転し、それこそ現代教育の基層をなしているという本、だと思う。2018/10/05

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