出版社内容情報
私たちの身の周りを取り巻く「環境」を守り,さらには魅力的なものにしてゆくために,社会学には何ができるだろうか.住民ひとりひとりのライフスタイルと,コミュニティや社会との関係を問い直しながら,さまざまな環境問題にアプローチする,わたしたちの暮らしのためのテキスト.
内容説明
自分たちが住む環境をよくするために、未来の子どもたちによい環境を手渡すために、社会学には何ができるのか。公害問題や環境破壊、ゴミ問題、リサイクル、地域の景観などにアプローチする、暮らしのための環境社会学入門。
目次
環境社会学とは
環境問題とエコシステム
森・川・海―コモンズ
農業と自然
モデルを使って分析する
住民は自分自身で環境を決められるのか―生活環境主義モデルの適用
社会的ジレンマとしての環境問題
ゴミとリサイクル
開発計画と加害者・被害者
公共事業と地元の利害
歴史的環境保全の運動
景観の形成
環境ボランティアとNPO/NGO
内発的発展論と地域計画
政策と実践
著者等紹介
鳥越皓之[トリゴエヒロユキ]
1944年生まれ。関西学院大学社会学部教授を経て、現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科教授。社会学と民俗学を専門として、環境に関わる分野やコミュニティ政策についての研究が多い。景観論や水利用論などが最近のテーマである
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nさん
1
読み易く体系を概観できる教科書。環境社会学には主に4つの理論がある。著者は「生活環境主義」の第一人者だ。手付かずの自然や、近代技術だけに依拠して環境を考えるのではなく、そこに人が関与する、生活者の視点を大切にする。確かに、全く手付かずの環境はそうそう見つかりそうもない。その点においては、環境の社会学という学問体系を一番上手く捉えているモデルだと思う。環境に対する正義を主題とする飯島伸子の「被害構造論」ともカラーが違う。だが、一つに絞らなければならない訳でもない。他の理論「受益・受苦圏論」なども学びたい。2018/02/25
taming_sfc
1
鳥越皓之先生による環境社会学の教科書的書籍。15章に分かれていてくれているところなど、まさに大学の講義向けである。しかし、内容は、平易な言葉で、突っ込んだ議論をしており、かつ具体的な事例も多く読ませる。最近、価値・規範の問題に首を突っ込んでいるため、環境社会学について学ぼうとしているが、初っ端から満足。2010/06/13
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