内容説明
「保育者養成大学に入学してくるかなり多くの学生は、保育者になりたいという明確な希望や憧れと、乳幼児期における保育の本質に関わる豊かな感受性と実体験をそなえている。」「学生が体験してきたことは、保育に関わる子どもの在り方や保育の本質について研究するための貴重な出発点であり、またそのための貴重な資料となりえるのではないだろうか。そうであるならば、自らが実際に体験しそこで感じたり考えたりしたことをレポートとして記述することは、学生自身が自らの体験を保育に関わる学問の観点から捉え直すことになるだけではない。さらには、レポートを記述することによって、学生は、保育の本質について研究するための共同研究者としての機能を果たしてくれていることにもなるはずである。」
目次
1 総論―学生の豊かな潜在的能力の開花と個別的な体験の意義(保育者養成大学の学生の潜在的能力;発達という観点から豊かさという観点へ;顕在的な活動から潜在的な在り方へ)
2 各論―子ども理解の深化と保育における常識の問い直し(自我の確立と子どもの豊かな両義性;見通しが開かれることによる豊かな世界;自我の確立以前の遊びの豊かさ;なりきることによる高揚感;片付けの奥深さ)
著者等紹介
中田基昭[ナカダモトアキ]
1948年東京都に生まれる。1980年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育学博士)。2009年東京大学大学院教育学研究科退職。2020年岡崎女子短期大学退職。現在、東京大学名誉教授
横井紘子[ヨコイヒロコ]
1981年愛知県に生まれる。2010年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達科学専攻(博士後期課程)、単位取得後退学。修士(人文科学)。現在、十文字学園女子大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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