出版社内容情報
「戦後教育学」の思想とは何を指すのだろう.発達,人権,教養,平和などのテーマごとに,一線の研究者・教育実践者が,その来し方をふりかえり自らの足元を掘り起こしつつ,次の日本の教育,近代のその先の社会を見据え,いまだ未完の課題に向けて進化してゆく方向を描く.
目次
第4部 教養と文化(戦後教育における教養と学校;教育実践と教育実践批評―『学力への挑戦』から『新・学力への挑戦』への歩みをふりかえる;歴史・平和教育の試練と向き合う―若い世代にバトンをわたすために;公教育における宗教的中立性の再検討だ宗教的教養をどのように「涵養」するのか;現代の教養と大学)
第5部 戦争と平和と教育(地球時代と平和―九条を軸に、自分史とかさねて;「誉れの子」への序章―戦時下における「国家と少年」;戦後日本の「平和」の歴史と構造―「憲法・教育基本法体制」下の平和と教育の「現実」と位相;地球時代と未来世代の権利)
第6部 教育学のこれから(戦後教育学とその批判をめぐる争点―堀尾輝久の教育学に焦点をあてて;ナラティブ・アプローチによる教育学の再構成;戦後日本の教育社会学と、教育学研究―「民主主義」と「教育実践」;教師・教育研究者の〈子育て難渋〉の背理を超えて―戦後教育学の緒エートスを「中継世代」として掘り返す;総合的人間学としての教育学):おわりに 戦後日本の教育学の蓄積についての「異世代共同」による検討の試み
著者等紹介
田中孝彦[タナカタカヒコ]
日本臨床教育学会理事、地域民主教育全国交流研究会代表、教育子育て九条の会呼びかけ人
田中昌弥[タナカヨシヤ]
都留文科大学副学長。北海道教育大学准教授、都留文科大学教授等を経て現職
杉浦正幸[スギウラマサユキ]
麻布中学校・高等学校教諭、東京都立大学人文社会学部・一橋大学大学院非常勤講師。日本学術振興会特別研究員、愛知教育大学専任講師等を経て現職
堀尾輝久[ホリオテルヒサ]
東京大学名誉教授、元中央大学教授。子どもの権利条約市民・NGOの会代表、9条地球憲章の会代表、民主教育研究所顧問、フランス政府教育功労章(パルム・アカデミック・オフィシエ)受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。