出版社内容情報
最後のセーフティネットともいわれる生活保護。その思想と現実を社会史的方法で克明に描く。待望の大幅増補版。
第2次大戦後,憲法25条の理念にもとづいて発足した生活保護制度の草創から近年の低保護率期にいたる歴史を,官僚たち,GHQ,政治家,学者,現場の職員,被保護者たち,運動団体,マスコミなどの織り成したドラマとして,社会史の方法で克明に描く.待望の大幅増補版.
1 戦後日本における生活保護制度の形成
2 生活保護制度の展開I
3 生活保護制度の展開II
4 生活保護制度の低保護率期
付章 生活保護制度ノート/方法ノート
【著者紹介】
副田 義也
副田義也:筑波大学名誉教授
目次
1 戦後日本における生活保護制度の形成(制度準備期;制度草創期 ほか)
2 生活保護制度の展開1―水準向上期(高度成長と国民生活;池田内閣の登場 ほか)
3 生活保護制度の展開2―格差縮小と制度停滞(体系整備期;格差縮小期)
4 生活保護制度の低保護率期(低保護率期;不正受給事件 ほか)
付章(生活保護制度ノート;方法ノート)
著者等紹介
副田義也[ソエダヨシヤ]
1934年東京都に生まれる。1957年東京大学文学部卒業。1959年東京大学大学院社会科学研究科修士課程修了。東京女子大学教授、筑波大学教授、金城学院大学教授等を経て、筑波大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
22
戦後の生活保護制度を歴史社会学の方法で研究した内容です。特に、制度を作成した官僚の視点からの研究となっています。僕は生活保護制度については素人で、著者がどこまで実証的な研究に成功しているのか判断することはできません。ただ、制度史を見るときに、官僚や政策主体の側を重視するあまり、朝日訴訟などの運動が果たした役割を過小評価しているように思いました。社会福祉は自然発生的に発展するものでもなく、運動によって政策主体に譲歩させる働きがあるのだと僕は思います。社会福祉をどう捉えるのか考えさせられました。2016/12/25
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