出版社内容情報
企業グループ連結経営の構築が進み,コーポレート・ガバナンスのあり方が変わり,グループ企業管理も一新した.そのなかで,高度成長期に形成された日本企業の出向転籍慣行はいかに縮減し,またどのような成熟を遂げているのか.克明な聞き取り調査によって解き明かす.
内容説明
いつしか、もう戻ることのない片道切符の出向のことを「退職出向」と呼ぶようになっていた。やがて、多くの人がその出向先に転籍していった。大企業の部課長クラスの人であれば、いまでも50歳を過ぎると、そろそろかなといった想いに駆られるという。こうしたことは決して例外的な出来事ではない。日常茶飯の慣行になっている。本書は、そうした退職出向・転籍慣行について書いたものである。
目次
1章 出向転籍小史
2章 出向転籍の人事戦略と本人評価―90年代半ばの風景
3章 準内部労働市場の変質―出向転籍の実態
4章 経営戦略の変化と雇用管理・労使関係―90年代末のアンケート調査
5章 企業グループ連結経営と雇用・労使関係―製造業Aグループの事例
6章 連結経営・雇用慣行・労使関係の諸類型―企業グループの比較分析
7章 出向転籍慣行の変化と展望―要約と結論
著者等紹介
稲上毅[イナガミタケシ]
1944年東京に生れる。1967年東京大学文学部卒業。1983年法政大学社会学部教授。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授
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