出版社内容情報
イワシ、アジ、サンマなどの多獲性・低価格の大衆魚は、どのようなメカニズムで消費生活に登場するようになったのか。その萌芽は、戦間期の大都市における新中間層の発生と、北海道に代表される水産食品生産地域の形成にあることを、経済史の観点から解き明かす。
目次
序章 本書の目的とアプローチ
第1部 変わる大都市の水産物需要(大都市における新たな水産物需要の拡大―1910年代以降の東京市の消費動向を中心に;大都市市場に対応する遠隔生産地域―北海道水産会の東京での活動を中心に)
第2部 新たな需要に対応する生産地域(漁場利用の積極的変容と生産地域の再編―余市のニシン定置漁業を事例として;水揚物の効率的活用と水産食品生産地域の展開―岩内のタラコ取引とスケソ製品を事例として;条件不利地における需要への対応とその限界―樺太におけるニシン漁業を事例として)
終章 「大衆魚」の誕生とは
著者等紹介
植田展大[ウエダノブヒロ]
2017年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2021年立命館大学経営学部准教授、現職、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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