出版社内容情報
グローバリズムの進展や市場原理主義の台頭などに見られるように,資本主義は新たな段階に到達しつつある.二十世紀型の資本主義の歴史的位相とその終焉を描き出すことで,混沌の中にある資本主義を批判的に考察する手がかりを提示する.
目次
資本主義はどこに行くのか?
第1部 二十世紀資本主義の歴史的位置(資本主義の発展段階―経済史学からの接近;二十世紀福祉国家の形成と解体;資本主義の来し方行く末―過剰富裕化の進展と極限)
第2部 二十世紀資本主義への視座(アメリカ型資本主義の創出と経済政策思想;ドイツ資本主義とナチズム;バブル崩壊とグローバル資本主義;欲望の「見えざる手」)
著者等紹介
加藤栄一[カトウエイイチ]
1932年生まれ。1962年東京大学大学院社会科学研究科博士課程修了。現在、東京大学名誉教授
馬場宏二[ババヒロジ]
1933年生まれ。1962年東京大学大学院社会科学研究科博士課程修了。現在、東京大学名誉教授、経済学博士
三和良一[ミワリョウイチ]
1935年生まれ。1963年東京大学大学院社会科学研究科博士課程修了。現在、青山学院大学名誉教授
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
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中山文庫除籍本。勿体ない。資本主義の各種問題は、所得格差に失業問題、福祉国家の解体、などが取り上げられている。ちょうど今週号の『週刊東洋経済』を書店で表紙をみると、失業問題が書かれているのを見ると、資本主義の混迷で日本資本主義の顛末もどうなるか、不安になってくる。資本や市場の暴走を食い止めるには、システムや制度が必要だと思うが、そのルールをなかなか金融資本主義になると市場が社会を支配してしまい、人間が市場に主客転倒してしまうのだ。オイルショックでスタグフレーションを招いたことがある(135ページ)。教訓。2012/11/13