内容説明
“第七芸術”の誕生から一世紀余。映像、言葉、音楽の混在するこの表現を独自の手法で操り、生きた思想を躍動させた作家の中から、今後もいわば映画の原典として、何度も古典の書物を読み返すように、注意深く読み直されるべき作家と作品を厳選、その鑑賞のポイントを丁寧に解説する。決して懐古ではなく、もっと自由に映画を楽しむために。
目次
第1章 作家をめぐって(“想像力”の映像化―レネの“エクリチュール”;反貴族の貴族―ヴィスコンティの映像美学;シュルレアリスムとレアリスム合体の妙―フニュエルの描く夢と現実、聖と俗の世界;“死”に触発された“愛と生”の詩的映像化―ベルイマンの軌跡 ほか)
第2章 作品をめぐって(エイゼンシュテイン『戦艦ポチョムキン』―“モンタージュ理論”の原点;ウェルズ『市民ケーン』―内容・構成・技術の見事な融合;パゾリーニ『テオレマ』―現世の“神と悪魔”を性に見る;デュラス『インディア・ソング』―“狂気の愛”を記録する“異種の映画”)
著者等紹介
渡辺淳[ワタナベジュン]
1922年三重県生まれ。東京大学文学部仏文学科卒業。東京都立大学・共立女子大学教授を経て、東京都立大学名誉教授。評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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