出版社内容情報
低開発国における貧困問題は,農村から都市に移住してくる低所得者層の大量の存在に象徴される.著者はスラム街への住込みにより「実感」として受止め,その経済行動の原理を分析. 発展途上国研究奨励賞・東京海上各務記念財団優秀著者賞受賞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寝子
1
※随分昔の本だけど 農村部から都市部に流入してインフォーマル部門で働く労働者を、スラムに入って実地調査を行うという手法で研究した本。廃品回収やサリサリストアで扱われているの品目の売値と買値、出身地方や政治的立場による分断など、実例が紹介されている。資本や金銭の貸出による暗黙の契約と限られた情報が労働市場を買手有利にしていると指摘している。2017/04/02
マーチャ
0
市場経済の一般的ルールより知り合いというアナログな情報や関係性の中でスラムでの経済は成り立っていると言うことをデータをもとに示す。 当たり前のことなのにこれを読むまで気付かなかった。事実ってそんなことなのかもしれない。気づきを明らかにすることを発展というのかもしれない。2017/03/23
Tomomi Hori
0
はじめて読んだフィリピンの本。開発経済学の理論の整理のみならず、フィールドワークを下敷きにしたインフォーマルセクターの描写が秀逸。