出版社内容情報
環境保全と経済発展はたがいに対立するのか,その両立は可能なのか.現代社会にとって根本的な課題を,「持続可能性」(Sustainability)をキー・コンセプトに追究し,適切な政策をおこなううえでの基本的な理念を明確にする.複雑多様な要素をもつ問題系を経済学の視点から解きほぐす格好のテキスト.
内容説明
「経済成長か環境保全か」という二者択一を超えて要請される「第三の途」。いま求められる基本的理念とはなにか。複雑多様な要素をもつ問題系を経済学の視点から解きほぐす格好のテキスト。
目次
第1章 はじめに
第2章 貧困と経済格差
第3章 「成長の限界」
第4章 持続可能な経済成長
第5章 発展途上国の環境問題
第6章 環境政策の争点
第7章 地球環境問題
第8章 結び
著者等紹介
石見徹[イワミトオル]
1948年和歌山県に生れる。東京大学大学院経済学研究科教授。1971年東京大学経済学部卒業。1977年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。1979年東京大学経済学部助教授。1986年経済学博士。1991年東京大学経済学部教授。留学・在外研究など、1979年~1981年テュービンゲン大学経済学部留学。1990年~1991年カリフォルニア大学バークレー校客員研究員。1994年ミュンヘン大学日本研究所客員教授。1998年~1999年ロンドン大学経済・政治学部(LSE)客員研究員
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感想・レビュー
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のとや書架
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2004年発表のため、内容に多少古い点は否めないが、数多くの論点に対して要領よく内容がまとめられている印象を受ける。表題にあるとおり、環境・開発に関して、政治学的、経済学的な見地から検討が加えられているが、私にとって意外であったのは、「市場の限界」や「外部不経済」に関しても詳細な説明を試みていた点である。また、筆者は、全球的統治の枠組みをさせる思想や価値観に、経済学が有効な手掛かりを与えないことを述べている。多様化する社会の中で、経済学はどのような力を今後持ち得るのだろうか。2012/06/03
taming_sfc
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石見徹先生の2004年の著作。環境関係の著作は、環境経済学、環境社会学は多いものの、未だ環境政治・環境政治経済学はあまり多いとは言えず、それゆえに、本書は環境政治経済学の分野において既存の邦語書籍ではかなり精緻な議論をまとめたものと思う。2010/07/17