出版社内容情報
日本経済の退潮の要因である生産性の低迷について、技術革新と国際比較からその直接的な要因を考察するとともに、教育、社会インフラ、環境など、生産性向上要因の基盤となる非市場経済における課題についても取り上げ、生産性向上と生活の「豊かさ」の両立についても論じる。
【目次】
序章「生産性向上の新たなステージ――新しい成長経済の姿を求めて」宮川努
■第1部 技術革新の生産性向上効果は持続可能か
第1章「特許の役割は変化したか――望まれる生産性向上までの幅広い資本蓄積と支援」枝村一磨
第2章「研究開発投資の効率性は低下しているのか?――地域別、各国別データを利用した検証」石川貴幸
■第2部 グローバル化に伴う生産性向上の課題
第3章「グローバル化と生産性――GVCへの参加による影響と政策対応」乾友彦・楊起中
第4章「グローバルな労働生産性格差――コンバージェンスと産業構造の変化の役割」松岡秀明
第5章「国際比較からみた日本の労働生産性――潜在力をいかに付加価値創出につなげるか」木内康裕
■第3部 非市場経済における生産性を考える
第6章「人的資本の再構築と生産性――企業中心の育成システムからの脱却」伊藤由樹子
第7章「老朽化が進む社会資本の再検討――機能維持政策が地域経済に及ぼす影響」川崎一泰・岩崎雄也
第8章「環境要因を考慮した生産性の測定――OECDの事例と我が国の試算」吉本尚史
終章「「豊かさ」を実現する生産性向上は可能か――「豊かさ」指標と生産性指標との接点」宮川努