出版社内容情報
現代社会を支配している資本主義的生産様式は、失業や環境問題など、人間の日々の生活基盤を脆弱なものにした。資本の論理に呑み込まれる以前、人間の経済は生活に根ざしたものであった。経済がいかにして人間社会から離脱して価値増殖の手段になっていったのかを明らかにし、生活世界の脱資本化を説く。
内容説明
現代の経済がなぜ金銭的価値を求める手段に成り果てたのかを明らかにし、生活世界の脱資本化を説く。ポランニー研究の第一人者である著者が、経済人類学、貨幣論、環境経済学など、これまでの探究を結実させた集大成。
目次
第1部 人間の経済(経済の二つの意味―内在する共約不可能性;オイコノミア―エコノミーは家政術から始まった;ポリティカル・エコノミー―拡大する市場経済;富から価値へ―人間と自然から離床する経済)
第2部 資本の論理(商品―資本主義社会の富の要素形態;資本―自己増殖する価値の運動体;再生産―経済成長の出発点;信用―資本家的生産の高度化;擬制資本―人間の経済の資本化)
第3部 等身大の生活世界(人間と貨幣の脱資本化―商品世界から地域社会へ;自然の脱資本化―環境負荷を環境容量より小さくする;広義の経済学―生命系と地域主義)
著者等紹介
丸山真人[マルヤママコト]
1954年三重県生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院経済学研究科第二種博士課程退学。カナダ・ヨーク大学大学院社会政治思想研究科博士課程退学。明治学院大学国際学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻・教養学部教授を経て、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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