出版社内容情報
人工知能など第4次産業革命の進展,人口減少・高齢化の加速,不確実性を増すグローバル経済への対応が,日本経済に求められている.こうした中で長期停滞を克服し,持続的成長を実現するための課題を,日本を代表する経済学者が理論的・実証的に考察する.
目次
序章 ソシオ・エコシステムと第4次産業革命
第1章 経済成長はなぜ必要か―マクロ経済と少子高齢化
第2章 第4次産業革命の中で変容する国際貿易・海外直接投資
第3章 人口減少下の都市システムと地域経済の安定的発展に向けた課題
第4章 第4次産業革命と日本産業のイノベーション能力
第5章 新たな産業フロンティアにおけるSociety5.0の世界
第6章 日本経済停滞の原因と必要な政策
第7章 新たなテクノロジーは働き方をいかに変えるか―AI時代に向けた展望
第8章 デジタル時代を支える市場と法
終章 第4次産業革命の経済効果
著者等紹介
矢野誠[ヤノマコト]
1977年東京大学経済学部卒業。1981年ロチェスター大学大学院博士課程修了。コーネル大学経済学部助教授、慶應義塾大学経済学部教授、京都大学経済研究所教授などを経て、経済産業研究所所長・CRO、京都大学経済研究所特任教授、上智大学特任教授。博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hurosinki
4
第6章を目当てに借りた。主要先進国間で成長会計を比較しており、それによると05〜15年に日本の成長が低下した最大の要因は資本投入の減速だった(生産性は遜色ない)。この時期に資本投入が減速した理由は3つ紹介されており、①主要先進国はリーマンショックで大規模な金融緩和を発動したが、以前から金融緩和を続けていた日本は更なる金融緩和の余地が乏しく、資本蓄積を刺激できなかった②アベノミクスが本格化する12年末まで他国の金融緩和による円高が続き、製造業が低迷③生産の海外移転等で大企業が海外に投融資するようになったこと2022/01/11