出版社内容情報
日本の公共部門の昇任人事は,いかなる能力観のもとに行われているのか.本書は,1930年代から2000年前後の大規模自治体――大阪市役所、東京都庁、神奈川県庁――の昇任システムを綿密に分析し,3つのモデルを提示する.日本の人事管理の実態に迫り,その多様性を明らかにする意欲作.
目次
序章 能力への多様な眼差し
第1章 分析視角とモデル化の方法―昇任管理への着目
第2章 事例の選択―3つの大規模自治体
第3章 学歴主義モデル―大阪市役所
第4章 試験主義モデル―東京都庁
第5章 平等主義モデル―神奈川県庁
第6章 各モデルの特徴とその比較
終章 本書の意義と課題
著者等紹介
林嶺那[ハヤシレオナ]
1984年生まれ。2011年東京大学法学部卒業。2013年東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。2018年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士号取得(法学)。日本学術振興会特別研究員、一般財団法人行政管理研究センター研究員を経て、福島大学行政政策学類准教授。後藤・安田記念東京都市研究所第41回/2015(平成27)年度藤田賞(論文部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中将(予備役)
2
極端事例として大阪市、東京都、神奈川県に関する昇進とそれを取り巻く採用、研修、配置を詳細に(量的データも紹介しながら主には質的に)記述し、人事行政のモデル化を図った一冊。人事行政の多様性を理解する枠組みの提供が目的とされる。派手さはないが、人の出てこない質的記述が論文になるのは驚きで参考になった。終盤で触れた「学校歴」重視の中央省庁が今も通用するのか、実際どう動いているのかも気になるところである。2024/09/01
Go Extreme
1
能力への多様な眼差し:時期的限定 対象の限定 多様性の把握 分析視角とモデル化の方法―昇任管理への着目:鍵変数としての昇任管理 先行研究とその課題 4つの視角 極端事例研究アプローチ 事例の選択―3つの大規模自治体 学歴主義モデル―大阪市役所:採用 研修 配置 試験主義モデル―東京都庁:昇任 採用 研修 配置 平等主義モデル―神奈川県庁:昇任 採用 研修 配置 各モデルの特徴とその比較:各モデルの比較分析 グレー・ゾーン,モデルの射程 本書の意義と課題:理論的・事実発見・方法論的意義 政策的な含意 2021/04/27
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