出版社内容情報
絶対主義的なプロイセンにおける行政争訟制度の形成・展開の過程を辿ることにより,官僚支配の下でのドイツ的な法治国理念の特質を解明し,ひいてドイツと日本の行政法学の同質性だけでなく,むしろその異質性・差異を明らかにする実証的基礎研究.
内容説明
本書は、17世紀から19世紀前半にかけてのプロイセンにおいて行政争訟制度―権力的作用に対する裁判的統制の制度という意味での最も広義における行政争訟制度―が、いったいどのような政治的・社会的背景の下で形成され、あるいは変遷していったのか、そしてその形成・変遷の過程においてどのような考え方ないしは法思想が展開され、それが実定制度にどのように反映せしめられたのかを跡づけようとするものである。
目次
第1部 プロイセンにおける官府裁判(官府裁判研究の意義;神聖ローマ帝国時代の争訟制度;官府裁判の出現と権限争議;官府裁判とコクツェーイの司法改革;官府裁判の司法形態化)
第2部 「法治国」の理念と現実―官僚制法治主義の特質(課題と視角;改革と政治的反動;官僚制支配と行政争訟制度;19世紀前半のプロイセンにおける行政争訟制度の展開)
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