出版社内容情報
近代日本がつくりだした強大な政府金融システム=財政投融資とは何か。それはどのようなしくみをもち、いかなる機能をはたしてきたのか。2001年改革による制度変化と残された課題を探り、そのあるべき将来像を模索する。
内容説明
政府金融システムの虚実を問う。特殊法人改革、郵政事業民営化―財政投融資改革がもたらした制度変化と、残された課題を考える。
目次
序章 予算のなかの財政投融資(腐蝕する政府公共部門;グレーゾーンの堆積と国家的資金調達システム ほか)
1章 財政投融資のしくみ(制度の歴史的形成―大蔵省預金部から資金運用部へ;大蔵省資金運用部資金と財政投融資 ほか)
2章 財政投融資の歴史的機能(投資対象の変化と財政の「補完」;財投機関の濫設と政治 ほか)
3章 二〇〇一年改革とは何であったか(財政投融資制度改革の始動;財政投融資と政権・財務省 ほか)
終章 財政投融資をどうするのか(財政投融資の目的の再考;「入口」をどうするのか ほか)
著者等紹介
新藤宗幸[シンドウムネユキ]
1946年生れる。1972年中央大学大学院法学研究科修士課程修了。千葉大学法経学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浜大根太郎
0
私達の郵便貯金、厚生年金、国民年金を大蔵省が運用して、特別法人(道路公団など)による公共事業に資金が投じられている仕組みについて解説した本です。財政投融資によって、戦後復興を果たしたなど、一概に悪いと言えないものの、予算の膨張体質があって、2001年の小泉改革が必要になった点は、忘れてはならないと感じました。しかも、小泉改革が不十分であり、結果的に出費の膨張体質が変わってないということも書かれています。行政学叢書なだけあって、難しいのですが、読みごたえあって、素晴らしい本だと思います。2018/12/16