出版社内容情報
それぞれの国家や行為主体がアイデンティティを主張し,パワーポリティクスが昂進するなか,国際平和や国際法秩序はどのように確保されるのか.日本国憲法と国連憲章,核をめぐる各国の対応などを素材に,国際関係を読み解く新たな理論の構築を目指す.
内容説明
本書は、社会学を社会科学全体の中で位置づけし、社会学が他の社会科学に対してどのような役割を果たしているか、どのような貢献をしているかを明らかにした。法学が他の社会科学とは異なり、社会の実態を象徴するシンボルの科学であることを明らかにし、法社会学を、実態(政治、経済、社会など)とシンボル(文化、理念、法など)との相互作用によって機能する社会についての、インターディシプリナリーな科学として構成した。その際、社会システムおよび法システムをそれぞれ独立のシステムとして、概念構成したうえで、両システムの相互作用を特定した。同じことを国際関係における国際法についても行い、国際法の社会学(Sociology of International Law)という独自の学問を構築した。国内法と国際法の関係として、日本国憲法第9条と国連憲章(特に第7章の集団安全保障システム)の関係をとりあげ、両システムに所属する日本の行動がどのようになるかを考察した。また、国際法と国際政治の関係として、「核兵器使用の違法性」と「核抑止の論理」の関係をとりあげた。
目次
序章 社会の総合的理解をめざして
第1章 システム理論の基礎概念
第2章 複雑システムとしての行動システム
第3章 自己組織化する世界の認識のために―社会科学統合の論理
第4章 世界は日本を変えたか―戦争の違法化と日本国憲法9条
第5章 日本は世界を変えられるか



