出版社内容情報
かつて「停滞のアジア」を象徴し「援助の実験場」とも呼ばれたバングラデシュは、1990年以降安定的な経済成長を実現し、もはや途上国を脱しようとしている。本書は、長期的な視点と最新のフィールド調査の知見を結集し、その躍進の背景と課題を検証し、南アジアの社会変動の最前線に立つバングラデシュの姿を鮮明にとらえる。2024年政変のゆくえを考えるうえでも必読の一冊。
【目次】
序 論 現代バングラデシュ――経済成長と激動する社会(杉江あい・外川昌彦)
第1部 経済発展と社会開発
第一章 低開発から脱した経済――南アジアにおける東アジア型産業発展(山形辰史)
第二章 経済発展と労働市場の変化――農村女子就業を中心に(藤田幸一)
第三章 社会開発の進展と取り残される人びと――貧困・教育・保健・災害をめぐる課題(日下部尚徳)
第2部 地域社会の変容と開発の争点
第四章 NGOの戦略変化と北のNGO――ショミティ・アプローチから小規模金融(MF)へ(大橋正明)
第五章 小規模金融(MF)からみた女性の社会関係――エンパワーメントをめぐる争点(石坂貴美)
第六章 社会経済変動のなかの女性への暴力――家父長制的な保護の揺らぎ(池田恵子)
第七章 川とともに生きる農村の変化――生態環境と地域社会をめぐる課題(杉江あい)
第3部 イスラーム化と変容する女性
第八章 農村社会の五〇年――女子教育の拡大と宗教意識の変化(外川昌彦)
第九章 イスラームとライフスタイル消費――巡礼とハラール市場からみた家族と女性(中谷哲弥)
第一〇章 パルダ実践のダイナミズム――都市化する社会と女性労働の拡大(ラミレズ(鈴木)亜望)
第4部 グローバル化と人の移動
第一一章 移住からみた社会――調査経験と文献サーベイから(高田峰夫)
第一二章 海外出稼ぎと農村経済――女性の海外出稼ぎの拡大への期待(須田敏彦)
第一三章 移民女性が抱える課題――日本での妊娠・出産・子育てからみる(工藤昭子)
第一四章 外交の変容――対印関係を中心として(村山真弓)
あとがき(日下部尚徳)
目次
序章 現代バングラデシュ―経済成長と激動する社会(外川昌彦;杉江あい)
1 経済発展と社会開発(低開発から脱した経済―南アジアにおける東アジア型産業発展(山形辰史)
経済発展と労働市場の変化―農村女子就業を中心に(藤田幸一)
社会開発の進展と取り残される人びと―貧困・教育・保険・災害をめぐる課題(日下部尚徳))
2 地域社会のゆらぎと開発の争点(NGOの戦略変化と開発援助の課題―ショミティ・アプローチから小規模金融(MF)へ(大橋正明)
小規模金融(MF)からみた女性の社会関係―エンパワーメントをめぐる争点(石坂貴美)
社会経済変動のなかの女性への暴力―家父長制的な保護のゆらぎ(池田恵子)
川とともに生きる農村の変化―生態環境と地域社会をめぐる課題(杉江あい))
3 イスラーム化と女性たちの実践(農村社会の五〇年―女子教育の拡大と宗教意識の変化(外川昌彦)
イスラームとライフスタイル消費―巡礼とハラール市場からみた家族と女性(中谷哲弥)
バルダ実践のダイナミズム―都市化する社会と女性労働の拡大(ラミレズ(鈴木)亜望))
4 グローバル化と人の移動(移住からみた社会―調査経験と文献サーベイから(高田峰夫)
海外出稼ぎと農村経済―女性の海外出稼ぎ拡大への期待(須田敏彦)
移民女性が抱える課題―日本での妊娠・出産・子育てからみる
外交の変容―対印関係を中心として)
著者等紹介
外川昌彦[トガワマサヒコ]
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程。博士(社会学)。文化人類学、地域研究、宗教学
杉江あい[スギエアイ]
京都大学大学院文学研究科准教授。名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程。博士(地理学)。人文地理学、地域研究
日下部尚徳[クサカベナオノリ]
立教大学異文化コミュニケーション学部准教授。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程。博士(人間科学)。南アジア地域研究、開発社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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