出版社内容情報
現代フランスにおける政治哲学の復権の意義を問い,「政治」「デモクラシー」「権力」「人権と市民権」「国勢」「共和主義と自由主義」についての新たな理論的地平をきりひらく.さらに日本における政治哲学の可能性をさぐり,発展をめざす.「フランス政治哲学の現在――一五年後に振り返る」を増補し,いまだ光を失わないその思想的可能性を未来につなぐ.
内容説明
多様で実効的なデモクラシーのために。現代フランスにおける政治哲学の復権の意義を問い、新たな理論的地平を切り開いた書。「フランス政治哲学の現在―一五年後に振り返る」を増補し、いまだ光を失わないその思想的可能性を未来につなぐ。
目次
第1部 現代フランス政治哲学の位置づけ(現代世界の中のフランス政治哲学;政治哲学復活への道のり)
第2部 諸概念の検討(「政治」から「政治的なるもの」へ;歴史の中のデモクラシー;内向する権力論;人権と市民権の間;新しい国制論;共和主義と自由主義)
補論 フランス政治哲学の現在―一五年後に振り返る
著者等紹介
宇野重規[ウノシゲキ]
1967年東京生まれ。1991年東京大学法学部卒業。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。千葉大学法学部助教授、フランス社会科学高等研究院客員研究員を経て、東京大学社会科学研究所教授。博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bevel
5
いろいろ挙げられるなかではロールズに分かたれた政治学と倫理学を架橋するみたいなモチーフをフランス政治哲学に読むのが一番関心があった。議論を深めるというかカタログみたいな本で、フランスの政治思想史を踏まえて日本を相対化したいという感じ。2025/02/13
デンプシー
2
個と共同性の止揚、人民の自律、抽象的でない個人の存在理解に基づく思想について関心がある中で、伝統的にこれらの視点を受け止めてきたフランス政治哲学について学べたのは良かった。特に面白かったのはアラン・ルノー。彼によれば、自由主義の原理と一番親和性が高い共和主義のスタイルはトクヴィル流の「政治的な共和主義的自由主義」である。その際に市民を「徳ある存在」とする手段として挙げられていたものの一つは、C.ペイトマンの民主主義理解に通ずるものであり、興味深かった。また、共同体と公共性の混同を戒める記述は心に留めたい。2022/10/26
タイガ
0
noteに感想を書いているのでよろしければご覧ください。 「フランスだからこそ考えたこと」―「政治哲学へ」宇野重規(著) https://note.com/gentle_deer406/n/n532d94dde5ef2022/10/24