出版社内容情報
16世紀末に豊臣秀吉が大陸に侵攻し引き起こした戦争を、国際的な観点から捉えなおすべく「壬辰戦争」と呼ぶことが提唱されつつある。東アジア全体に大きな影響を及ぼしたこの戦争について、日・中・朝・満の史料を活用し、各国間・集団間に発生した接触と交流・交渉、そしてその記録と記憶の実態を明らかにする。
目次
第1部 朝鮮王子と史料(朝鮮王子一行とその墨跡;史料篇 日本所在の朝鮮王子一行の墨跡;加藤清正と重臣・加藤可重―朝鮮王子一行との接点から;鍋島家伝来の朝鮮王子書状とその歴史的位置付け)
第2部 接触と交渉(豊臣秀吉の侵攻予告に対する朝鮮の対応―通信使派遣の明への秘匿;沈惟敬の「東行」と豊臣秀吉の降表―「沈惟敬書帖」を糸口に;「泰長院文書」収録の書状から見た朝鮮軍と日本軍の裏面交渉;壬辰戦争期に加藤清正と遭遇したワルカ系領主家系)
第3部 記録と記憶(『吏文謄録』と壬辰戦争期の朝明関係;『豊国大明神臨時御祭礼記録』と壬辰戦争;『北関遺蹟図帖』の表現とその系譜―戦争の記憶と絵画;仙台藩における「朝鮮の役由来」の家臣)
著者等紹介
川西裕也[カワニシユウヤ]
1981年生。新潟大学大学院現代社会文化研究科助教。専門は高麗・朝鮮史
中尾道子[ナカオミチコ]
1977年生。東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門特任研究員。専門は朝鮮絵画史
木村拓[キムラタク]
1976年生。鹿児島国際大学国際文化学部准教授。専門は朝鮮時代の対外関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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