出版社内容情報
ヨーロッパ中世を「貴族・領主層の時代」としてではなく,「王権覚醒の時代」と位置づけ,その拡大・強化の具体的過程を政治・法理念,宗教思想,イデオロギーなど多様な側面から解明.地域ごと,国ごとの枠組みを越え,全ヨーロッパ史的な視点からとらえなおすとともに,非ヨーロッパ世界との比較軸を提示する.
内容説明
本書はヨーロッパ中世史研究会(略称R.E.N.)のメンバーの各分野での研究成果をまとめて公刊するものである。
目次
1 宗教と組織化(ライヒェナウ修道院の『祈念書』―カロリング王権と祈祷兄弟契約;10‐11世紀ビザンツ社会のカリスティキア―教会施設管理の俗人委託慣行と国家権力)
2 宮廷と中央統治(12世紀ドイツ王権の宮廷―その構造をめぐるいくつかの問題;12世紀前期イングランドにおける財務府の形成とその意味 ほか)
3 中世後期における秩序と法(ドイツ中世におけるフェーデ・ラントフリーデ・国制;15世紀末帝国ワイン条例の成立 ほか)
4 政治的権威と社会統合(15世紀ボヘミアにおける宗派共存と身分制;「スペイン王国」成立に関する一考察―バルセローナ市への異端審問制導入をめぐって ほか)