出版社内容情報
秦漢帝国の形成とその構造を,皇帝支配の成立に視点を置いて,当時の爵制の分析によって明らかにした.一般庶民がひろく有爵者であった秦漢時代の二十等爵制の構造や機能を詳述した研究.
内容説明
戦後わが国の東洋史学会において、中国史研究に関する新らしい問題提起がにわかに活発となった。それは一言にしていえば、中国史をつらぬく特徴とされていたいわゆる「停滞性」を批判し、そこに発展と進化の様相を発見しようとするものであった。そして、秦漢帝国の形成をめぐる論争もまた、中国史研究上の主要な問題点のひとつであった。本書は、この論争の発端となったかつての著者の小論に対する自己批判に基いて、この論争をより深化させるためのささやかな試論であって、秦漢帝国の形成とその構造に関する検討を、皇帝支配の成立に視点を置いて、当時の爵制の分析という視角から試みようとしたものである。
目次
序章 中国古代社会の構造的特質に関する問題点
第1章 二十等爵制の構造
第2章 民爵賜与の方法とその対象
第3章 二十等爵制の機能―とくに民爵について
第4章 爵制的秩序の形成
第5章 二十等爵制の形成
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
8
研究者でもないのになぜ本書を購入したのかよくわからない。60年前の本なので旧字体。主に秦漢時代の二十等爵制に関する研究内容。爵位といえば公侯伯子男の貴族なイメージがありますが、二十等爵制は一般人にも与えられます。秦の商鞅の改革での戦功として首級1つで一級とか帝室に慶事があると一級上げられてたりします。一般人と言ってもその賦与される対象は?や民にとって爵位もらってなんのメリットが?などが史記や漢書や発掘資料を基に論じられてます。この時代の民は集団飲酒は基本禁じられてたようだ。2021/05/05