内容説明
日本とその隣国に住む人々のために著された初めての東アジア近現代史。東アジアの近代に何が起こって、どんな関係を築かれてきたのか。第一線の歴史家たちによるわかりやすい叙述と、多彩なコメントから描く、初めて学ぶ人にも、学びなおす人にも最適な通史。
目次
日本開国への決断
東アジア近世の世界秩序
日本社会の近世
琉球社会の近世
朝鮮社会の近世
中国社会の近世
ロシアの東方進出
日本の対西洋危機認識
イギリスの東アジア進出と中国
アメリカの北太平洋進出
日本外交政策の転換
日本世論の二重反転
ロシアの東方政策と中国・日本
東アジア国際秩序の再編
朝鮮の改革と攘夷戦争
日韓国交更新の紛糾
アヘン戦争後の中国
日清国交の開始と台湾出兵
征韓論争と江華島条約
日本の近代的領土確定
中国の版図・華人再編と東アジア
ロシア・日本・中国の近代化
1880年代の朝鮮と国際政治
日中の軍備拡張と世界政治
日清戦争の勃発と展開
日清戦争後の東アジア世界
国際公共財の形成
著者等紹介
三谷博[ミタニヒロシ]
東京大学大学院総合文化研究家教授
並木頼寿[ナミキヨリヒサ]
前東京大学大学院総合文化研究科教授
月脚達彦[ツキアシタツヒコ]
東京大学大学院総合文化研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
日の光と暁の藍
8
幕末から日清戦争までを扱った歴史教科書。東アジアが対象となっており、日本、中国、朝鮮、ロシアを中心(イギリスやアメリカも少々)に国際関係の痒いところに手が届いた内容となっている。グレート・ゲーム真っ只中の英露の動きを意識しながら日本が朝鮮政策を決めようとしていたり、ロシアの動きを睨んで日清が手を組む可能性を模索しようとしたりしていたことがあったりと、今まで知らなかった様々な歴史の機微に触れることが出来た。多くの執筆者により本書は書かれているが、全体的に客観的な記述で読みやすかった。20世紀編が待ち遠しい!2018/05/27
まさにい
4
幕末から日清戦争にかけての東アジアの歴史が詳細に書かれている。中国・朝鮮・日本の関係の理解に役に立った。共著であるからゆえの客観性が保たれていてとてもいい本だと思う。日清戦争により、日本が本当の国民国家(国民が日本人だと意識すること)になったことを知る。今、戦争に代替するものは、オリンピックなのかなぁ。とにかく、戦争が国民の意識を結びつけることは理解できるが、なんか悲しい。2017/11/21
勝浩1958
3
最近はとみに日本、中国、韓国、北朝鮮、そして東南アジア諸国の関係がとてもギクシャクしてきたように感じる。(正しく報道されているかどうかは不問に付すが。)このような状況にあって、自国の考えを主張することはとても大事であるのだが、それには、この東アジアが歩んできた歴史を学ぶことが必須であろう。「はしがき」にあるように『直ちに共通の歴史認識を得るのは無理としても、そういった賢明かつ上手な知的態度が、東アジアに生きる人々すべての、言わば「人間力」の一部として、求められる時代になっているのである。』至言であろう。2012/07/15
kapo54
2
19世紀の東アジア史。日本・清・朝鮮・琉球・ロシアなど様々な角度からこの時代の歴史を見ている。章ごとに執筆者が違い、章末ごとに他の著者からのコメントが付いている。色々な国の立場から歴史を見られる点と、様々な研究者の視点から歴史を見られる点の2点で、歴史を多角的に捉えられる。知識の押し売りではなく、歴史学のアクチュアルな研究を垣間見せてくれる本。2014/12/20
おぎん
2
日本では維新前後の国際情勢が非常にわかりやすく解説している。 日本だけが近代化に成功したという事実は非常に不思議でありラッキーであったということ。 ぜひ、読んでもらいたい。2012/12/14
-
- 和書
- 猫塗り屋