出版社内容情報
近世の村落は孤立した存在でなく,周囲の村と連合関係を有していた.本書は直轄領を中心に,こうした村連合=組合村が支配機構であると同時に,自主的に運営され村々の「惣代」としても機能していた事実を見出す.近世村落の重層的な姿を明らかにし,近代地方制度への展開をも見通す.
目次
1 幕領における「中間支配機構」(組合村‐惣代庄屋)の発見(甲州市川代官所管下の幕領における郡中惣代名主について;備中の幕領における郡中惣代庄屋について)
2 組合村‐惣代庄屋制の性格(幕領における郡中入用・組合村入用について;幕領における広域歎願闘争と惣代庄屋)
3 長州戦争と備中・美作の幕領(第一次長州戦争と備中・美作の幕領;第二次長州戦争と備中の幕領)
4 幕末・維新期の組合村‐惣代庄屋制(直轄県における組合村‐惣代庄屋制)
著者等紹介
久留島浩[クルシマヒロシ]
1954年広島県に生まれ、岡山県で育つ。1977年東京大学文学部卒業。1983年東京大学大学院人文科学研究科博士課程(国史学専攻)単位取得退学。東京大学文学部助手。1985年千葉大学教育学部講師。1987年同助教授。1997年国立歴史民俗博物館助教授を併任。1998年国立歴史民俗博物館歴史研究部助教授、現在に至る
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