出版社内容情報
礼式として定められた弘安書札礼は長く命脈を保ち,特異な地位を占めた.弘安書札礼の書誌的考察をふまえ,礼法が複雑な身分社会を生きる廷臣たちにとっていかなる意味をもったかを追究し,公家社会にみえる中世を描き出す.
内容説明
本書は、公家社会の身分関係との関聯において弘安書札礼をみるとき、どのような時代像がみえてくるかを主題に考察した論稿から成っている。第1部において、弘安書札礼を中心に、書札礼の社会的状況を、第2部では公家社会において、もっとも書札礼の意義に関わった名家・諸大夫についての研究をまとめた。第3部には、著者の古文書に関する雑稿を、第4部は偽文書に関する小論を併載している。
目次
第1部 書札礼の世界(手紙の作法―「内」と「外」の礼の理念;『弘安礼節』写本に関する一考察 ほか)
第2部 桎梏の家格(諸大夫に関する一考察;中納言への道(参議労十五年;参議大弁・検非違使別当) ほか)
第3部 古文書学雑篇(官宣旨と弁官下文;重紙と裏紙 ほか)
第4部 偽文書雑攷(偽文書について;北条(金沢)顕時寄進状・同書状案について ほか)
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