出版社内容情報
民衆の心意のなかに根づき,語り継がれてきた「物語」.本書は,中世の「物語」を神話・説話・民話の三つの側面から解析,この三つの世界のおりなす関係を浮かびあがらせ,そこに反映されている歴史の実体を透視し,中世社会を描き出す.
目次
1 神話の世界と中世(『竹取物語』と王権神話―五節舞姫の幻想;『彦火々出見尊絵巻』と御厨的世界―海幸・山幸神話の絵巻をめぐって;巨柱神話と天道花―日本中世の氏神祭と農事暦;歴史学にとっての柳田国男)
2 中世説話の世界(内裏清涼殿と宮廷説話;説話「芋粥」と荘園制支配―贈与と客人歓待;虎・鬼ケ島と日本海海域史;領主本宅と煙出・釜殿)
3 中世民話の世界(腰袋と『桃太郎』;『ものぐさ太郎』から『三年寝太郎』へ;秘面の女と『鉢かつぎ』のテーマ)